アスレチックス松井秀喜外野手(36)が肉体改造を徹底し、勝負のシーズンに臨む。6日、帰省先の石川県から帰京。2月21日のキャンプインに向け都内で自主トレを再開する。今オフは専属契約を結ぶ小波津(こはつ)祐一トレーナー(42)との二人三脚を強化。良好な現在の状態をさらにレベルアップし、万全の状態で開幕を迎える構えだ。

 昨年11月17日に米国内で開始した自主トレでは、同トレーナー帯同で両膝を良好な状態に保ち、ダッシュや打ち込みなど高レベルなメニューを消化。「順調ですよ。今のところ何も問題はない」と胸を張って帰国した。同トレーナーも「ここ何年かでは一番いい状態。現時点で昨年のキャンプイン時を超えている」と手応えをつかんでいる。

 大阪在住の小波津トレーナーには08年7月に出会い、09年8月から専属で治療を受けた効果はワールドシリーズMVPとなって表れた。独自の「小波津式神経筋無痛療法」は関節などにけん引や圧迫をかけて「無痛」の疑似的な運動状態をつくり肉体の機能を向上させるもの。これまで多様なケアを試みた松井だが「自分に最も必要なものを得られる。これだけ長いスパンで毎日のようにやってもらうことが今までなかった。間違いなく自分に合う」と全幅の信頼を置く。

 近日中の自主トレ再開後に同トレーナーが時期をみて上京し、初めてキャンプ直前にもサポートを受ける。昨年はキャンプ前の国内自主トレで1度もバットを握れなかったが、今年は走り込み、打ち込みを十分に重ねられるだけに開幕ダッシュへの期待が高まる。「今の時点で不安要素は何もない」と同トレーナー。頼れる相棒とのタッグが力強い支えになる。【大塚仁】