【フェニックス(米アリゾナ州)16日(日本時間17日)=広重竜太郎】アスレチックスの“完全試合男”が松井秀喜外野手(36)の相棒を買って出る。ア軍はバッテリー陣が春季キャンプを開始。昨季、メジャー19人目の完全試合を記録したダラス・ブレーデン投手(27)は、松井が昨年12月にア軍と契約すると、すぐ松井の通訳に電話したことを明かした。「『ワールドチャンピオンを経験した選手が加わってくれて興奮している。何でも助けるし、歓迎するよ』と伝えてくれ、と言ったよ」と話した。

 ブレーデンはチーム内でも有数の親日家。オフは東京に4日間滞在し「街のあちらこちらに松井の顔が広告に出ていて、コーヒーを飲んでいた。イチローより露出が多いんじゃないのか?」とスターぶりを実感した。昨季は11勝(14敗)を挙げながらも1試合平均3・4得点とリーグワースト4位の援護射撃しか得られなかった。「ヒデキが入れば打線の中で3、4人が好影響を受ける。もちろん投手陣にもそれが及ぼされる」と確信。愛用しているミズノと松井が契約しているだけに「より一層、彼に早く会いたい」と思いを募らせた。

 日系3世のスズキ捕手も松井の打棒とともに日本語の先生として期待を寄せた。「日本語を教えてほしい。イチローと対戦するときに、面白い日本語が話せれば」と、ささやき戦術の指南役をお願いした。松井の18日(日本時間19日)のキャンプ地入りを前に、ラブコールが高まっている。