<ヤンキース4-3ツインズ>◇7日(日本時間8日)◇ヤンキースタジアム

 ツインズ西岡剛内野手(26)が「2番二塁」で先発したヤンキース戦で、左脚すねの腓骨(ひこつ)を骨折した。7回守備で併殺を狙って二塁カバーに入った際、併殺を阻止しようとスライディングした一塁走者と交錯し、そのまま退場。エックス線検査で骨折が判明し、15日間の故障者リスト(DL)に入った。開幕6試合連続で先発出場したが、8日(同9日)の本拠地開幕戦前の悔しい戦線離脱となった。

 西岡をまさかの不運が襲った。待ちに待った本拠地開幕戦を翌日に控えたヤンキース戦。1点を追う7回の守備、1死一塁の場面だった。テシェイラが詰まり気味の三塁ゴロを放つ。併殺プレーを完成させようと二塁カバーに入った西岡の左脚に、一塁走者スウィシャーの鋭いスライディングが刺さった。スウィシャーに「大丈夫か」と肩をたたかれたが、苦悶(くもん)の表情を浮かべたまま。「立ち上がってプレーに復帰しようとしたけど、足が思うように動かなかった」。何とか自力で立ち上がったが、経験したことのない痛みに襲われた。

 トレーナーと通訳に両脇を抱えられベンチに退き退場。球場内でエックス線検査を受け、左脚腓骨の骨折が判明した。写真を確認した本人にも明らかに分かる骨折で、一瞬、気分が悪くなるほどだったという。

 試合後、松葉づえ姿で現れると「最悪」と力なく笑った。一方で、直子夫人や両親、そしてツ軍ファンの前で初めてプレーするはずだった本拠地開幕戦直前の不運を精いっぱい落ち着いて受け入れた。「これも自分の人生。いろんな壁にぶつかりながら、自分の人生を歩んでいきたいと思います」。

 スウィシャーに恨みはない。「当たり前のプレー。僕が走者でも、ああいうスライディングをしていた」と理解を示した。謝罪のため、エックス線検査室を訪れたスウィシャーには「気にしないで。自分のミスだ」と話した。打球が遅かったため、三塁側寄りの位置で捕球する形になり、スライディングを避けきれなかった。「僕も精いっぱいのプレーだったし、お互いが一生懸命プレーしている結果」と振り返った。

 簡単な治療を受けた後、チームとともに本拠地のミネアポリスへ移動した。8日(同9日)にチームドクターの診察を受け、今後の治療方針が決まる。15日間のDL入りが決まったが、長期離脱は必至だ。

 誰よりも悔しいはずの西岡は気丈に振る舞った。「心に痛みがあるし、体にも痛みがあるけど、生きてますからね。日本でも大変なことが起きた。僕も負けないように、日本の皆さんと一緒に頑張っていきたいと思います」。人生初の骨折にもめげず、しっかりと前を向いた。

 【ニューヨーク(米ニューヨーク州)=佐藤直子通信員】