<アスレチックス1-4インディアンス>◇3日(日本時間4日)◇オークランドコロシアム

 アスレチックス松井秀喜外野手(36)が、足で今季8度目のマルチ安打を決めた。2回先頭打者として迎えた第1打席。インディアンスの先発カルモナの外角チェンジアップを三遊間へ転がした。深い位置で捕球した遊撃手が、すかさず一塁へ送球。だが、打った瞬間「多分セーフだなって思いました」という松井の足が競り勝った。6回2死走者なしでの第3打席にも、再び打球は三遊間へ。今度は三塁手が飛びついたが、捕球するのが精いっぱいで一塁に送球できなかった。

 イチローなら珍しくもない内野安打2本だが、松井にとっては04年9月18日レッドソックス戦以来、自身メジャー3度目の出来事。膝の手術後初めてのレアな記録となる。松井自身も「(いつ以来か)全然分からないですね」と、今季の膝の好調ぶりを力強く物語った。

 バッターボックスから何のためらいもなく一塁へ激走する姿こそが、膝が好調である揺るぎない証拠だ。松井が「走るのは問題ないですね。足はずっと調子いいですよ」と笑顔を見せれば、ゲレン監督も「チームにとってプラス材料。代走を使わなくてもよくなれば、攻撃の幅も広がる」と目を細めた。

 この日、5安打しか許さなかったイ軍先発カルモナは「苦手な相手(11打数7安打)を、今日ばかりは打ち取ったと思ったのに。ラッキーだな、アイツも」と苦笑い。今季の松井は、長打力だけではなく、足も使って、対戦相手にダメージを与えていく。(オークランド=佐藤直子通信員)