<アスレチックス3-4ホワイトソックス>◇15日(日本時間16日)◇オークランドコロシアム

 【オークランド(米カリフォルニア州)=佐藤直子通信員】出場機会が激減しているアスレチックス松井秀喜外野手(36)が、「レギュラーDH」奪還のため首脳陣に猛アピールした。1点を追う9回2死三塁に代打で四球。試合後は、珍しくユニホーム姿のまま室内練習場へ直行し、約25分間打ち込んだ。

 先発落ちは2試合連続で、ここ6試合のうち4試合と、まるで“補欠”のような扱いだ。ゲレン監督は、左腕に対しては右打者中心のオーダー構想、打撃好調の選手の積極起用などのチーム事情を考慮したと説明。明言こそしないが、松井の不振も要因の1つであることは間違いない。

 ビーンGMは「個々の選手の査定は公にはしない」と、現時点での松井に対する評価は避けたが、理想のDH像について「パワーがあり、確実に打点を稼げる打者」だと話す。今季の得点圏打率が2割1分9厘と振るわない松井は、同GMの理想とは程遠い。1週間前には「(20日からの)交流戦で外野手として先発させる」と構想を明かした監督も、「代打での出場はあるだろうが、先発はおそらくない」とトーンダウンさせている。

 松井自身、立場が危うくなっている現状は自覚している。相手先発の右左や他打者の調子に関係なく、信頼おけるDHなら打線から外されることはない。厳しい現実に直面しているが「出た時に打つだけ。結果さえ残せば(出場は)増えるだろうし、残せなかったら同じかもしれないし。それだけです」と、表情を引き締めた。

 16日のエンゼルス戦は先発確実とみられる。DHとしての権威が完全に失墜する前に、とにかくバットで答えを出さなければならない。