<アスレチックス2-1ロイヤルズ>◇15日(日本時間16日)◇オークランドコロシアム

 アスレチックス松井秀喜外野手(36)が、2四球で大リーグ通算500四球を記録した。連続試合打点は5で止まったが、チームは勝ち、連敗を3で止めた。

 松井が日米通算500本塁打よりも先に、渋い戦いの勲章を加えた。ロイヤルズ戦で第1打席に四球。続く打席も1度もバットを振ることなく、球筋を見極めた。この日2個目の四球で、大リーグ通算500個目と節目に到達。メルビン監督代行就任後は試合前まで3割3分3厘と好調なだけに、相手が慎重になるのも無理はない。だが松井自身は「勝負をしていたけど、ただストライクが来なかっただけだと思う」と冷静に受け流した。

 500四球は現在479四球のイチローよりも早い到達。「よく調べているね。コメント…ないよ」と笑う。イチローよりも打席数は約3000も少ないが、四球は多く選んでいる。時にはチームの勝利のために選球する必要もあるからこそ、自然と増えていった。

 一方で自身メジャー最多タイとなる6試合連続打点は惜しくも逃した。6回1死一、三塁。真ん中低めのチェンジアップを右翼手の定位置まで飛球を上げた。だが大リーグ屈指の強肩を誇るフランコアの前に、三塁走者は自重するしかなかった。右翼手が違えば、打点がついた可能性が高いが「(三塁走者が)かえれたか分からない。僕が走者だったらボールが来るまでに(本塁を)駆け抜けているけど。何笑っているの?」と意に介さず、笑いに変えた。

 この日はイチローが盗塁でメモリアルな記録に達した。報道陣から思わず盗塁について聞かれ「面白いことを聞きますね。人と比較することはないですよ」と答えた。チームも4試合ぶりに勝利して“絶口調”。渋い記録をクリアして、本丸の500号に挑む。(オークランド=広重竜太郎)

 ◆松井と四球

 500四球は現役62位。メジャー通算は8・1打席に1個の四球を選ぶ松井だが、今季は途中までの不振が影響して伸び悩んでいる。11・5打席に1個はメジャー9年目でワースト。また選球眼の良さを示す「IsoD(出塁率-打率)」は1割以上で優秀、7分以上で合格点とされる。松井は通算7分9厘とメジャー全体でも高い数字を残すが、今季に限れば5分7厘とこちらも自己ワースト。