<アスレチックス5-9ツインズ>◇29日(日本時間30日)◇オークランドコロシアム

 アスレチックス松井秀喜外野手(37)が後半戦の「2冠」になった。ツインズ戦で今季5度目となる3安打以上を放ち、今季最長の7試合連続安打。後半戦だけに限ると、出場13試合で打率4割6分2厘は30球団トップ。17打点も大リーグ首位と大暴れだ。

 この日は左腕から3安打を放った。ツインズ先発リリアーノから4回に左翼線二塁打、6回に中前打。8回1死一塁では2番手ミハレスのスライダーを強振し、右翼前に運んだ。普段から「打球方向を決めて打つことはない」と言うが、3方向に打ち分け「非常にいいバッティングだったと思います」と口も滑らかだ。

 “夏男”の異名をとるように、もともと後半戦に強い。現在の好調について、「甘い球に対して、しっかりスイングできている」と自己分析。バットがボールを捉える瞬間、体の軸がぶれずに、前後左右の「バランスがよく振れている」実感があるという。前半戦2割9厘だった通算打率は、2割5分1厘まで上昇。この日の二塁打で、日米通算484二塁打を記録し、イチローに並び、日本歴代2位タイとなった。

 発奮材料もあった。試合前、日米通算500本塁打達成の記念セレモニーが行われ、クローリー球団社長とメルビン監督代行から特製トロフィーを手渡された。クリスタル製のトロフィーには、台座の部分に巨人とアスレチックスのマークが刻まれている。アナウンスで「レジェンド(伝説)」と紹介され、「いい記念になる。こういう心遣いをしていただいて感謝しています」と笑顔をみせていた。【佐藤直子通信員】