<ヤンキース6-4ツインズ>◇19日(日本時間20日)◇ヤンキースタジアム

 史上最強のクローザーが名実ともトップに立った。ヤンキースの救援右腕マリアノ・リベラ(41)が、ホームのツインズ戦で今季43セーブ、通算で602セーブとし、並んでいたトレバー・ホフマン(元パドレス)を抜いて歴代最多記録を更新した。95年のデビューからヤンキース一筋。伝家の宝刀カットボールを武器に、野球小国パナマからアメリカンドリームを実現した。

 登板を告げるヘビーメタルの曲が大音響を奏でると、地区優勝目前のヤンキースタジアムは「MO(モー)」コールで主役を迎えた。リベラも期待を裏切らない。2点リードの9回を3者凡退。最後は4番パームリーから93マイル(約150キロ)のカットボールで見逃し三振を奪い、歴代セーブ(S)王の座をつかんだ。

 「素晴らしい瞬間。お金では買えないから、うまく今の気持ちを言い表せないよ」。リベラは試合後の会見に3人の息子たちを同席させ、ヤ軍一筋17年のメジャー人生を振り返った。

 パナマの貧しい漁村出身で、プロ入りも20歳と遅かった。成功に導いたのは中堅手も可能だったという高い身体能力と、負けず嫌いのハングリー精神だった。ルーキーリーグでは52回を投げて自責点1。防御率0・17とマイナー1年目から難攻不落の存在だった。その年のオフ、空港で搭乗前の球団幹部を構内放送で呼び出して「いつ500ドルもらえるんだ?」と口約束のタイトル料をせがんだこともある。その後、生涯年俸は約130億円に達した。

 年齢的な限界も感じさせない。11月には背番号と同じ42歳を迎えるが、今季を含め9シーズンで防御率1点台に届かなかったのは1回だけ。ヤ軍に5度の世界一をもたらすなどポストシーズンにも強く、同通算42Sは2位リッジ(フィリーズ)の18Sを圧倒する。リベラは「パナマから出てきて、ここまで長い旅だった」としみじみ話し、「自分が最高の選手だと思わない。仲間のおかげだし。チームのために投げ続けるだけだ」と勝負の秋を見据えた。

 ◆マリアノ・リベラ

 1969年11月29日、パナマ生まれ。90年2月にヤンキースと契約。メジャー1年目の95年は10試合先発。2年目からセットアッパー、3年目から抑え定着。オールスター選出12回、3度の最多セーブ(S)に輝き、99年ワールドシリーズMVP。S機会での成功率89・3%も歴代1位(対象は200S以上)。188センチ、84キロ。右投げ右打ち。今季年俸は1500万ドル(約12億円)。