ヤンキースが、今オフの日本人選手補強の標的を、日本ハム・ダルビッシュ有投手(25)に一本化していることが7日、分かった。複数の米球界関係者によれば、ポスティングシステムを活用して米移籍が取りざたされるダルビッシュへの関心が高く、メジャー挑戦の可能性があるソフトバンク和田、楽天岩隈らは獲得リストから外れることが濃厚だという。

 この日ヤンキースは、ア・リーグ地区シリーズで敗退してストーブリーグに突入した。09年以来のワールドシリーズ制覇へ向けて補強がスタートするが、重要ポイントの1つが先発投手陣の整備だ。今季の先発5人のうち、コロンとガルシアがFAで流出危機。バーネットもトレード放出の可能性が取りざたされるなど、現状で確定的といえるのはエースのサバシアとノバの2人だけという状況だ。

 今季の米FA市場は先発投手が手薄とされるだけに、ヤ軍はシーズンを通じて日本人投手の動向をチェック。ダルビッシュをはじめ、和田、岩隈らメジャー挑戦の可能性がある選手の見極めを行ってきた。中でもダルビッシュの圧倒的な力量と技術、25歳という若さに魅力を感じているようだ。

 ヤ軍は06年に井川をポスティングで獲得して失敗。以後は日本人選手獲得に慎重だったが、ダルビッシュに関しては高い興味を示しているという。今後、獲得に乗り出すかも含め、入札金額など最終的な調整に入るとみられる。ダルビッシュはメジャー移籍を目指すかどうか姿勢を明らかにしていないが、今季終了後には方向性を出すことになりそう。日本ハム側も、大きな戦力であるため残留を選択した場合の備えもしながら、かねての方針通り、ポスティング要求の際には本人の意向を尊重する見込みだ。