<ア優勝シリーズ:タイガース7-5レンジャーズ>◇第5戦◇13日(日本時間14日)◇コメリカパーク

 【デトロイト(米ミシガン州)=四竈衛】ア・リーグ優勝決定シリーズ第5戦が行われ、レンジャーズがタイガースに敗れ、対戦成績は3勝2敗となった。4点差の7回裏から2番手で救援したレンジャーズ上原浩治投手(36)は、ソロ本塁打を浴び、2/3回を1安打1失点。救援投手としてはポストシーズン史上初の3試合連続の被弾となった。

 試合後、目を真っ赤にして、必死に心を静め、言葉を絞り出すように言った。「ちょっとパニックになってます。何が何だか分かりません。まったく戦力になってませんから」。地区シリーズ第2戦、2日前の今シリーズ第3戦と、いずれも本塁打を浴び、この日は挽回のチャンスだった。しかし、1死後、2番レイバーンに時速89マイル(約143キロ)の外角低めの速球を投じ、右翼席へ運ばれた。

 「あそこまで飛ばされるんだから球に力がないということでしょう」。メジャー屈指の制球力を持つ上原に対し、地区シリーズのレイズはクセを研究し、球種ごとに狙いを定めてきた。今回のタ軍は、基本はカウントを取りにくる速球狙い。外角低めの速球に対し、初球から踏み込んで右方向へ打ったこの日の本塁打は、上原対策が進んだ象徴的な一打だった。

 上原にすれば「何も考えられない」は本音。実際、ワールドシリーズへ勝ち進んでも、登録枠から外れる可能性は少なくない。フォームの微調整、配球の工夫など修正を加えない限り復調の糸口は見えてこない。「とにかくあと1つ勝ってほしいです」。ここで終わるわけにはいかない。