雄弁は自信の表れか。日本ハム・ダルビッシュ有投手(25)に最高入札額を入れたと報じられるブルージェイズのアレックス・アンソポロスGM(34)が16日(日本時間17日)、地元ラジオ局TSNに出演し、「勝利宣言」をにおわせるインタビューに応じた。「他のFA選手と同じ扱い。コメントできない」と入札した事実の公表をもったいぶりながら、「僕が日本に飛んで彼を見ているから、何百万回も(入札したと)言われるのは仕方がないよね」と含み笑い。そして冗舌にダルビッシュ評を語り始めた。

 同GMは09年のWBCから追い続けていたといい、「才能あふれる選手なのは明らかだ。すべての球団が同じ評価だろう」と絶賛。メジャー経験のない選手に大金を投じるリスクに関しては、「(獲得前に)どれだけ適応できるか分からない以上、リスクは当たり前。ただ野手に比べれば、(日本人投手は)メジャーのレベルに近い」と心配無用だとした。

 内容だけ聞けば、ほぼダルビッシュ獲得を前提としたような口ぶり。同GMの語りはさらに熱を帯び、インタビュー後半はレッドソックス松坂との比較論に発展。1年目のワールドシリーズ制覇、2年目の18勝までは「及第点」としたが、「彼は6年契約で、ケガの後は実力を取り戻せていない。契約に見合った働きができてないと言われるのは仕方がない」と冷ややかな視線を浴びせた。ブ軍はダルビッシュに松坂の5111万ドルに匹敵する入札金を投じたとされるが、「情報を集め、精査し、評価した上で実行している」と自軍のスカウト戦略に絶対の自信を口にした。

 ◆アレックス・アンソポロス

 1977年5月25日、カナダのモントリオール生まれ。マクマスター大で経済学を専攻し、00年に広報部実習生でエクスポズ(現ナショナルズ)入り。国際スカウト担当を経て入団3年でスカウト部門の責任者を任され、03年にブルージェイズ移籍。05年にGM補佐、09年から上級球団副社長兼GM。今季34歳はレンジャーズのダニエルズGMとともに最年少GMだった。ギリシャ移民の家系で、04年アテネ五輪ではギリシャ代表チームの編成を任された。