アスレチックスからFAとなった松井秀喜外野手(37)が18日、移籍先候補に古巣ヤンキースが浮上したことを素直に歓迎した。都内で取材に応じ「ヤンキースに限らず、どこでもそうやって声かけてくれるのはうれしいですよ。本当に声をかけてくれているかどうかも知らないですけどね」と笑顔で話した。ヤ軍が代理人テレム氏と接触した件は「何にも聞いてないですよ。マジで」と初耳を強調したが、古巣が興味を寄せている事実には感謝の気持ちがうかがえた。

 ヤ軍以外にも松井をめぐる動きが活発になっている。タイガースは17日(日本時間18日)、昨季主に5番DHだったビクター・マルティネス捕手(33)が左膝前十字靱帯(じんたい)を断裂したと発表。今季絶望の可能性もあり、左の強打者を補強する必要性が出てきた。松井を高く評価し昨オフも移籍先候補となった球団だけに、獲得に乗り出しても不思議ではない。また左翼クロフォードが17日(同)に左手首の手術を受け、開幕ピンチとなったレッドソックスも補強に動くことが考えられる。

 騒がしくなってきた周囲をよそに、松井は「キャンプインまでにはもちろん決まってほしい。でもまだ1カ月ぐらいあるでしょ。別に全然、大丈夫ですよ。焦ってもない」と落ち着いて話した。精力的な自主トレを積みながら、動きだした去就の行方を冷静に見守っている。【大塚仁】