【アーリントン(米テキサス州)20日(日本時間21日)=四竈衛】レンジャーズに移籍したダルビッシュ有投手(25)は、会見前から注目の的だった。到着時のダラス空港では日米のテレビカメラが集結。一般ファンも交じり、警察官が“緊急ガード”したことで、約1億1000万ドル(約82億5000万円)が動いた大物右腕は事なきを得た。

 会見を2時間半後に控えた午後4時24分、ダルビッシュがダラス空港内ロビーに姿を見せた瞬間、空気が変わった。熱心なファンから声援が飛ぶ中、米国テレビ局の11台を含む計20台のテレビカメラが、一斉にダルビッシュの動きを追い始めた。さらに、写真撮影を試みたり、サインをねだるファンらが突入し、騒動は一気にヒートアップした。あまりの混乱に、当初はのんびりと見守っていた地元ダラス警察の5人の警察官が緊急介入。ダルビッシュをガードするように、出迎えの車まで誘導した。

 最終的にパトカーが出動するほど騒然とした到着劇の結果、日本のテレビ局のカメラマンが、額をぶつけて出血。幸い大事にはいたらなかったが、警察官が現場を取り仕切らなかったとすれば、ダルビッシュ自身を含め、さらに大きなハプニングに発展する可能性さえあった。

 球場内の特設会場で行われた入団会見も、規格外だった。通常は「レンジャーズ殿堂ミュージアム」として名選手の資料などが展示されているスペースを会見用に設営した。ジョン・ブレーク広報部長は「この場所で会見が行われるのは、94年の球場開設以来初めて」と説明した。球場脇の道路には、テレビ各局の中継車8台が並び、米地元局も会見前から生中継のリポートを開始。最終的にテレビカメラ40台、約200人の報道陣が詰め掛けるなど、ダルビッシュへの注目度は、早くもスーパースター級だった。