ヤマ師の勘が働いた?

 地元紙ダラス・モーニング・ニューズ電子版は21日、レンジャーズがダルビッシュ有投手(25)を獲得するまでの背景を解説し、共同オーナーを務めるボブ・シンプソン氏がキーマンになったと紹介した。入札最終日になってもライバル球団の動向が分からず、入札金を決めあぐねていた最終会議で、「5170万ドルでいこう。これくらいないと勝てない」と提案。鶴の一声で史上最高5170万3411ドル(約38億8000万円)の入札額が決まった。落札次点のブルージェイズは小差だったと報じられており、球団内では同氏を称賛する声でいっぱいだという。

 同氏は一代で地元テキサスを代表する石油産業で富を築き、10年の球団買収時には資金を援助。ただ当初はダルビッシュの実力に「懐疑的だった」とし、入札期間中にダニエルズGM、ライアン球団社長から3時間かけて説得され、「熱意に負けて考えが180度変わった」と獲得ゴーサインを出した。「私は石油で採掘と生産の違いを学んだ。リスクは必要最小限にしたいもの。彼らの説得が僕を動かしたよ」。良質な油田を掘り当てた嗅覚が入札金算定に生き、その後の契約交渉でもサポートを惜しまなかった。