マリナーズのイチロー外野手(38)が、メジャー12年目で初の開幕3番に座る。21日(日本時間22日)、キャンプ4日目の練習終了後、ウェッジ監督が日米報道陣を前にして切り出した。「イチロー・スズキが今季の3番になる」。ここ数年来解消されない貧打は昨年にどん底状態へと陥り、球団史上最低のチーム打率2割3分3厘と1280三振を記録。攻撃力の向上なくしては今季の苦戦も目に見えていた。その打開策としてウェッジ監督はイチローの3番起用を決断した。

 オフの間に監督の意向を聞いていたイチローは、冷静だった。「そういう可能性が現時点であることはずっと前から想像していたし、別に今日聞いたわけではないですからね。僕の中ではもう普通のことになってるということですね」。ただ、3番の打撃には長打のイメージがある。今キャンプで取り組む、従来よりも歩幅を広げ重心を落としたノーステップのフォームは長打を意識した“形”にも見えるが、イチローは言う。

 「それぞれの打順でどうあらなくてはいけないということはないと僕は考えているので、それは1番でもそうですから。そりゃ、3番でもそうでしょうね」。10年連続した年間200本安打、打率3割が昨季限りで途切れた。新たな気持ちで座る指定席で、ウェッジ監督が求めるのは前後につながりを持たせること。「1番から9番で得点好機をつくり勝ちにいく」。打撃の形は変わってもイチローの役割が大きく変わることはない。(木崎英夫通信員)

 ◆イチローの3番

 大リーグで先発出場1733試合のうち約99%の1720試合は1番。3番は02年に3試合、04年に10試合で起用された。3番でスタメン出場すれば04年6月23日レンジャーズ戦以来8年ぶりとなる。日本時代は3番の出場が打順別最多の399試合。オリックス仰木監督はイチローの得点圏打率が95年3割8分、96年前半3割9分7厘と高いことに目をつけ、96年後半から打順を1番から3番に変更。これが成功し、96年オリックスは前半戦の5ゲーム差をひっくり返して2連覇を達成している。