ベストコンビが復活した。ヤンキース黒田博樹投手(37)が22日(日本時間23日)、2度目のブルペン投球を行い、ドジャース時代も女房役を務めたマーチン捕手(29)がボールを受けた。コンビを組むのは10年8月2日以来のこと。直球、スライダー、カーブ、シンカー、カッター、スプリットを合計44球。キャッシュマンGM、ジラルディ監督、ロスチャイルド投手コーチが見守る中、テンポよく投げ込んだ。

 昨年一足先にヤ軍移籍を果たしたマーチンは、黒田がメジャーデビューした08年から3年間を信頼を置いた相手。カーブやチェンジアップの質を上げて、緩急で投球の幅を広げたい、と試行錯誤を重ねる黒田の姿を知り尽くしている。そのマーチンが約1年半ぶりに球を受け「カーブの質と精度が驚くほど上がっていた」とビックリ。「制球がいいし、曲がりがよくなった」と絶賛した。バッテリーは方向性を統一するために話し合いを重ねるが、マーチンはここでもサポートを約束した。昨季サバシアやバーネットを受けながら得た、強打者がそろうア東地区の情報を「もちろん喜んでシェアしていくよ」と胸をたたいた。

 世界一を目指してヤ軍と契約した黒田が、安定したパフォーマンスでチームに貢献するための土台は、しっかり組み立てられている。(タンパ=佐藤直子通信員)

 ▼ヤ軍ジラルディ監督(黒田について)「素晴らしい状態に仕上がっている。球種を多く持つが、どれもよかった。これだけ球種があると、サインを出す捕手は何本指があっても足りないね。キャンプでは、自分なりの調整をしてくれればいい」