【メリーベール(米アリゾナ州)3日(日本時間4日)=四竈衛】ブルワーズ青木宣親外野手(30)が、帰宅後も「単独トレ」を行っていることが明らかになった。渡米後1年目の今キャンプでは、練習量不足を痛感していることもあり、居残り練習のほかに、滞在先近くの公園で個人練習。初の公式戦では2打数無安打に終わったものの、独自の調整で開幕スタメンに挑む姿勢を明かした。

 ブ軍のキャンプ施設が静まり返った午後3時半過ぎ、約50分間の居残り特打を終えた青木は、それでも涼しい顔で言った。「練習量は日本と比べれば3分の1もないですね。自分の調整ができてないですし、もっと体を張らせて、それからでないと、どうも…」。ほとんどの選手が帰路に就く間、青木はケージ内で黙々と打ち込んだ。

 2月25日のキャンプインから1週間が経過したが、打撃の感覚のズレはなかなか埋められていない。「打つ直前に力が入ったりしてるんです」。青木自身の分析によると、振り込み不足をはじめとする総合的な練習不足。早出、居残り特打でも充足感はなく、現地入り後は、滞在先近くの公園で単独トレを開始した。同地近郊は、アリゾナでも有数の高級住宅地。そんな和やかな夕暮れ時、家族連れや若いアベックがくつろぐ公園の一角で、腹筋などの補強トレをはじめスイングを数百回。短パン姿のメジャーリーガーが、寸暇を惜しんで体をいじめ続けている。

 初の実戦形式となる紅白戦では、控え組の「1番左翼」として出場し、第1打席では三塁手のグラブをはじく打球(失策)で出塁。第2打席も鋭い打球の一ゴロを放つなど、2打数無安打の数字以上に内容のある打席を経験した。「正直、1本打っておきたかった。ただ、ボールの見方も悪くなかったですし、もっと気持ちを入れてやっていきたいです」。

 4日からは定位置争いをかけたサバイバルとなるオープン戦がスタート。「これまではケガでもしない限り、交代するようなこともなかった。そういう意味でも野球のことだけを考えてますし、勉強させられることばかりです」。日本で2回200安打を放った実力者。その明確な目的意識と実直な姿勢が、周囲の期待を裏切るはずはない。