<マリナーズ3-7ホワイトソックス>◇20日(日本時間21日)◇セーフコフィールド

 【シアトル(米ワシントン州)=木崎英夫通信員】マリナーズ岩隈久志投手(31)が、開幕から15試合目でようやくメジャーデビューを果たした。ホワイトソックス戦で1-6の6回、3番手として登板。最終回まで4イニングを投げ、1失点に抑えた。

 午後8時53分。待ち焦がれた瞬間がやってきた。まずは6番リオスを外角90マイル(約145キロ)の直球で捕飛に打ち取り、リズムにのった。後続はフォークで連続三振。8回先頭のダンに1発を浴びたが、9回は3者連続でゴロに打ち取る持ち味を見せる。この日の最速は92マイル(約148キロ)をマークした。

 「とにかく、先頭打者をきっちり(抑える)と考えていたので。データも頭に入れながらマウンドに入れたので。緊張感はありながらも落ち着いて投げられたかなというふうに思います」。開幕からベンチ入りし続けている30球団の選手で、最も遅い今季初出場だった。3日前からはメディア用の資料に「開幕から唯一登板のない投手」という情報も載り出していた。

 登板間隔が空き、調整が難しかった。3日置きに許されたブルペンでの軽い投球練習とキャッチボール、そしてシャドーピッチングだけで調整を工夫した。2日のオープン戦以来、18日ぶりの実戦で力を発揮し、ウェッジ監督は「あれだけ長い間(実戦で)投げていなかったのに素晴らしかった」とたたえた。

 会見を終えた岩隈をチームメートのウェルズ外野手が「メジャーへようこそ!」と手を差し出した。首脳陣とチームメートの信頼をつかんだ45球。岩隈は「いつでもチャンスは来る」と確かな手応えを得た模様。チャンスをつかんでいけば、先発の機会もきっと巡ってくる。

 ▼岩隈が日本人投手では通算35人目の大リーグデビュー。岩隈のリリーフ登板は楽天時代の09年CS(日本ハム戦)で1試合あるが、レギュラーシーズンでは近鉄時代の01年5月29日日本ハム戦以来11年ぶりになる。01年から昨季までの225試合連続先発登板は山内新一(南海-阪神。311試合)に次ぐプロ野球歴代2位だった。

 ◆マリナーズの先発投手

 7日ぶりの借金生活に戻り、先発ローテーションを再編する動きがある。3番手ノエシがこの日、2回途中6失点でKOされた。ダルビッシュと投げ合った9日レンジャーズ戦で初回4点援護を守れず、14日アスレチックス戦では8回無失点の快投を演じたかと思えば、この日は再び背信投球。防御率9点台では雪辱の場を与えても、連続KOなら次回がラストチャンスになりそう。5番手に滑り込んだミルウッドも、前回登板は7失点と打ち込まれた。