<ポータケット8-2ダーラム>◇15日(日本時間16日)◇ノースカロライナ州ダーラム
レイズとマイナー契約を結んだ松井秀喜外野手(37)が、傘下3Aダーラムに合流し、レッドソックス傘下ポータケット戦に「4番DH」でスタメン出場した。4打数無安打と結果は伴わなかったものの、サク越え寸前の大飛球を放つなど、観客を沸かせた。マイナーでは異例の注目を集めながら、メジャー昇格へ向け、内容と結果が求められる最終段階へ入った。
初めて足を踏み入れたグラウンドでも、松井の名前は知れ渡っていた。場内アナウンスで紹介されても、凡打に倒れても、ダーラムのファンは、歓声を送り、拍手を繰り返した。「ただ感謝したいですね。期待してくれた気持ちに応えるためにも、いい打席をお見せしたいと思います」。
結果的に4打数無安打。それでも、第2打席には右中間最深部へ痛烈な打球をはじき返した。フェンスにぶつかりながら好捕した右翼手の美技に阻まれたものの、あと2メートルでサク越えする大飛球にスタンドは沸いた。「いい打撃だったと思います。ちょっと詰まりましたけどね」。この日は、午前中にカナダ・トロントでビザを取得後、約900キロ離れた当地へ移動。午後4時30分に球場入りし、慌ただしく試合に臨んだ。しかも、米国の地方球場でも、ひときわ暗い照明の中で約8カ月ぶりのナイター。「体は大丈夫。ボールも見えていた」とは言うものの、厳しい条件での3Aデビューだった。
その一方で、ダーラム側にとっては、待望の松井合流だった。球場で無料配布されたプログラムの表紙は松井の写真で飾られ、トップ記事も松井特集。バックネット下に日本の男性化粧品会社、記者会見時の背景には日本の法律事務所の広告が登場した。近日中には松井Tシャツも販売される予定で、営業、広告、販売戦略上でも、松井の存在は特別だった。
会見後、宿舎へ向かう松井には、制服警官2人がガードするなど、マイナーの試合としては異例ずくめの1日だった。もっとも、松井にすれば、周囲の騒ぎを気に留めるつもりはない。「自分の状態を上げながら、結果を出していかないといけないですから」。マスコミに追われ、ファンの視線を集めても、松井のスタンスは変わらない。【四竃衛】



