<3A:インディアナポリス7-4ダーラム>◇28日(日本時間29日)◇インディアナ州インディアナポリス

 4月30日にレイズとマイナー契約を結んだ松井秀喜外野手(37)が、メジャーに緊急昇格することが決まった。同地での3A戦試合後に伝えられたもので、29日(同30日)に本拠地セントピーターズバーグに合流。ホワイトソックス戦には、いきなり「6番左翼」でスタメン出場する見込みだ。新背番号は「35」となる予定で、松井のメジャー10年目、日米通算20年目のシーズンが、ようやくスタートする。

 込み上げる思いを胸の奥にしまい、努めて淡々と言葉を続けた。3Aインディアナポリス戦の試合後。ダーラムのモントーヨ監督から昇格を伝えられた松井は、顔を上げ、改めて最高レベルへのこだわりを口にした。「また、メジャーの舞台に戻って野球がしたい。それだけでした」。約1カ月に及ぶマイナーでの生活を終え、本来の居場所に帰るうれしさは、シンプルな表現でしか伝えられなかった。

 松井自身も想像できない、緊急昇格だった。前日はノーフォークでの試合後、メジャーからの一報を待ちながらも、陸路で3時間かけてダーラムへ戻った。結局、昇格の連絡はなく、この日は早朝5時過ぎに起床し、チームと一緒に遠征へ出発。一般客も乗る飛行機でボルティモアを経由して、4連戦が予定されるインディアナポリスへ移動した。「マイナーの選手である以上、試合に出るつもりで来てますから」と話したように、気持ちを切り替えて試合に臨んだ直後だった。

 故障者が続出するレイズは限界寸前だった。主砲ロンゴリア、ジェニングスら主力だけでなく、控え選手も続々と離脱。首位争いを演じているとはいえ、得点力不足は深刻だった。しかも、この日のホワイトソックス戦で3安打1点の屈辱。実績のある松井を起爆剤にするタイミングを、これ以上、遅らせる余裕はなかった。

 3A13試合で本塁打はなく、打率1割7分にとどまった。数字は不本意でも、期待の大きさは十分に認識していた。「準備という意味ではできたんでしょうが、なかなか確率良く、いい内容ではない。それだけが現時点での心配と言えば心配です。ただ、やり足りないということはないです」と、現状を冷静にみた。例年のように春季キャンプをこなしていない不安がないわけではない。だが「楽観的には考えてないですが、そのための準備、練習はしっかりやりたい」と弱音をこぼすつもりはない。

 注目の背番号は35。「5を残すか、ゾロ目ですかね」。数週間考えた末、星稜、巨人と背負ってきた5に、恩師長嶋茂雄氏の3を組み合わせて、35に落ち着いた。今日29日のホ軍戦に「6番左翼」でスタメン出場することが濃厚だ。「この1カ月が、自分にとって良かったと思えればいいですね」。開幕から遅れること2カ月。松井の2012年が、ようやく幕を開ける。【四竃衛】