【カンザスシティー(米ミズーリ州)9日(日本時間10日)=高山通史】レンジャーズ・ダルビッシュ有投手(25)が晴れ舞台から、日本球界へと一石を投じた。初出場するオールスター前日の記者会見に出席。米球界と比較してウエートトレーニングに対する意識の違いがあると指摘。「日本は変な固定観念に縛られすぎて、まったく野球が伸びていない。ここ何十年」と分析した。球宴を、持論が正しいか否かを証明する後半戦へとつなげる布石にする。

 自負があるのだろう。ダルビッシュが思うがままに提言した。大リーガー1年目、わずか約3カ月。感じているギャップがあった。オールスター前日に、メジャーのスターが集った会見で、昨季まで同じ舞台で切磋琢磨(せっさたくま)した日本の選手たちへ語りかけた。

 ダルビッシュ

 日本はそういう変な固定観念に縛られすぎて、全く野球が伸びていない。ここ何十年。

 自身が大リーグ入りまでに磨きあげた肉体への考え方の違いを力説した。

 日本の選手と大リーガーとの違いは、意識の差であると断言した。「体がでかいから違うのではなくて、そもそもトレーニングの内容が違うから。日本人は単純にトレーニングをしないから」。ダルビッシュ自身が生まれながらに日本人離れした肉体を保持。そのため、説いた持論にすべての選手がマッチするとは考えにくいが、断言した。

 この球宴でもステップアップにつながるカギの1つにした。登板機会に恵まれるかどうかは、試合展開などによって不透明。それでも、スターと触れ合える大舞台を糧にするつもりと貪欲だ。「どこのだれがどういう筋肉をしているとか、どういう鍛え方をしているとかを勉強して」と、狙いを定めている。肉体強化に目覚め「より上にいきたいということですね」と動機まで明かした。

 10日(同11日)の一夜限りのオールスターは、存分に楽しむつもり。日本人選手、携わる人へとメッセージを送った。「(肉体への意識を)変えられないからこういう状況になっているのであって。筋肉ついたら体が重くなるとか訳の分からないことを言う人がいるから抜け出せないですね」。肉体改造がステップアップにつながる根拠を球宴、後半戦で体現する。