<マリナーズ6-1エンゼルス>◇2日(日本時間3日)◇セーフコフィールド

 マリナーズ岩隈久志投手(31)が、今季最終登板で9勝目(5敗)を挙げてメジャー1年目を終えた。エンゼルス戦で6回6安打無失点。4回以外は得点圏に走者を背負い「1点取られてもいいやっていう開き直りで投げていった」。主砲プホルスから3打席連続三振を奪うなどエンゼルス戦は4戦4勝。「最後にしっかり投げられて良かった。いい1年を過ごせた」と振り返った。

 今季は中継ぎでスタートし、4月はわずかに2試合の登板だけ。本職の先発に回るまで約3カ月を要した。その理由についてグリフィン・ヘッドトレーナーは「右肩周辺の筋肉が(他のメジャー選手に比べて)弱く、先発での中4日では難しいと判断した」と明かす。キャンプから、右肩の回旋筋などの筋力を強化するための特別プログラムを提供。練習の前後に毎日取り組むよう指導した。「6月には直球の球速が80マイル後半から90マイル前半へとアップ。その時に肩の痛みもなかったので(先発)ゴーサインを出した」。この日、3回1死三塁でプホルスから94マイル(約151キロ)の直球で空振りを奪うなど、日本時代の力強さを取り戻した。

 先発に回った7月からは16試合で8勝4敗、防御率2・65。この活躍で来季に向けては、マ軍を含めた争奪戦になるとみられる。岩隈は「せっかくもらった先発のチャンスを逃したくない気持ちも強かった。中継ぎを経験して米国の野球を体で覚えたのが生きた」と笑顔で総括した。(シアトル=木崎英夫通信員)