<ア地区シリーズ:オリオールズ3ー2ヤンキース>◇第2戦◇8日(日本時間9日)◇オリオールパーク

 ヤンキースのイチロー外野手(38)が、「忍者」のようなプレーを見せた。ア・リーグ地区シリーズ第2戦の1回表、捕手のタッチを2回かいくぐって先制点を奪う、奇想天外のスーパー走塁でスタンドを沸かせた。

 ◆一塁手追い抜く

 マリナーズ時代の03年3月5日、エンゼルスとのオープン戦。3回に一ゴロを打ち、捕球した一塁手スピージオにタッチされそうになったが、塁間の半分まで走ってストップ。タッチを諦めたスピージオが背を向け、一塁ベースに歩き始めたのを見たイチローが猛ダッシュ。インフィールド側に膨らんでスピージオを追い抜き、先にベースに到達。だが走路を外れすぎてアウトと判定された。

 ◆捕手飛び越え

 同05年5月15日のレッドソックス戦。4回、味方の二塁打で一塁走者イチローが本塁に突入も、タイミングは完全にアウト。そこでベースの約1メートル手前でストップし、バランスを崩した捕手ミラベリが前のめりでタッチしにきたところを、空中にジャンプして飛び越え、ベースにタッチした。ミラベリのミットが体に触れたとして判定はアウトだったが、後日、ミラベリが“空タッチ”であったことを認め「右手に持っていたボールではタッチしていない。あれはセーフだった。信じられない技。さすがイチロー」と告白した。