今夏まで羽黒高(山形)硬式野球部で主将を務めた土田拓弥外野手(18)が29日、大リーグ・インディアンス(ア・リーグ中地区)と電撃マイナー契約を交わした。今秋、プロ志望届を提出。国内プロ球団からはドラフト指名されなかったが、俊足巧打の将来性を評価された。来春渡米し、大リーグ傘下のルーキー・リーグからメジャー昇格の「アメリカン・ドリーム」を目指す。

 土田が日本人高卒ルーキーとして、初めてインディアンスと契約を交わした。25日のドラフト後に交渉を重ね、この日、山形公証役場(山形市)で父隆一さん(47)と羽黒・横田謙人総監督(42)も同席し、インディアンスのアジア担当チーフスカウト、デーブ・ディフレイタス氏(31)と正式契約した。山形市役所の記者クラブで急きょ会見した土田は「プロは野球を始めた小学生の頃からの夢だったのでうれしい。挑戦したいという気持ちが強い」と新天地に夢を広げた。

 身長170センチと小柄ながら、50メートル走5秒8、遠投100メートルの俊足巧打、強肩堅守の将来性を高く評価された。大学までアメリカで生活していた横田総監督の交友関係もプラス材料になった。同チーフスカウトは「スイッチヒッターでスピーディー。ユーティリティープレーヤーでどこでも守れる。将来性があり総合的にひかれた」と説明した。

 中学時代に地元の酒田ハーバーベースボールクラブで硬式野球を始めて、今秋ドラフトで楽天から4位指名された酒田南の下妻貴寛捕手と一緒だった。その下妻もこの日、楽天から指名あいさつを受けた。土田は「お互いに頑張りたい」とエールを送った。さらに日本ハムから1位指名された花巻東の大谷翔平投手(ともに18)とは6月の練習試合で対戦。2安打1盗塁で得点にも絡んだ。土田は「機会があれば(アメリカで)対戦したい。監督の目に留まるように長所の足を生かして上に上がれるようにベストを尽くしたい」と新天地での躍進を誓った。【佐々木雄高】