【ナッシュビル(米テネシー州)6日(日本時間7日)=四竃衛、佐藤直子通信員】レンジャーズからFA(フリーエージェント)になっていた上原浩治投手(37)が、レッドソックスと契約合意した。年俸425万ドル(約3億4000万円)の1年契約で、14年のオプション(契約延長)と登板数などに応じたインセンティブ(出来高払い)が付くとみられる。引き留めに動いたレ軍、古巣オリオールズなどの間で争奪戦になっていたが、守護神の座も狙えることから、名門再建に一肌脱ぐことになった。

 争奪戦になっていた上原が、最終的にレッドソックスを選んだ。ウインターミーティング最終日のこの日、レ軍チェリントンGMは上原について「今は言えない」とだけ言い残し、本拠地のボストンへ向かった。今ミーティングではナポリ捕手(前レンジャーズ)、ビクトリノ外野手(前ドジャース)をともに3年3900万ドル(約31億2000万円)で獲得。積極補強の一環で、閉会前に上原との契約合意にこぎつけた。

 当初はワシントン監督が直接、国際電話で残留交渉を進めたレンジャーズと、昨年7月まで在籍した古巣オリオールズがリードしていた。両軍の一騎打ちとみられたが、最下位からチーム再建を進めるレ軍は好条件と背番号「19」を用意。土壇場の逆転に成功した。

 レ軍は上原がFAとなった10年オフ、さらに昨年トレードでレンジャーズへ移籍した際にも獲得に動いた経緯もある。田沢とセットアッパーコンビが期待される一方、抑え予定のベイリーが故障明けで不安定とあり、クローザーを任されることもありそうだ。

 上原は現在、国内で自主トレ中。この日は都内でシドニー五輪女子背泳ぎ200メートル4位の萩原智子(32)と合同トレーニングを行った。まだ健康診断を終えてないため、契約については「話せません。正式に決まったら、あらためてご連絡します」と慎重だった。それでもレ軍の印象を聞かれると「巨人と阪神のように伝統があり、強いチームだと思います」と、去就が内定した喜びを隠さなかった。週明けにも再渡米し、ボストンで正式契約に向けた手続きを行う。