ブルージェイズ川崎宗則内野手(32)が、チーム愛あふれる異例のマイナー通告を受けた。正遊撃手レイエスの復帰に伴い、傘下3Aに降格することが25日決定。ギボンズ監督は「タフな決断だった。彼は数字だけで判断できないものを持っている」と、他の選手に決定を伝え、あいさつの時間を設けるために異例のミーティングを試合後に開いた。

 ムードメーカーのマイナー行きに、他の選手は別れを惜しんだ。地元紙「トロント・スター」電子版は、メジャー14年目の先発左腕バーリーの「通常は翌日に他の選手の降格を知る。私は(川崎の例を)見たことがない」とコメントを掲載。球団の最大の敬意だった。

 川崎は「本当に幸せだった。自分の実力がまだまだ足りないことも分かった」と納得の表情。4月13日に昇格し、打率2割2分5厘、1本塁打、17打点。だがサヨナラ打やメジャー初本塁打を放ち、明るい性格でファンや同僚の心をつかんだ。40人枠には残っており、再度昇格の可能性も十分ある。「メジャーでなく、野球にこだわっている。もっとうまくなりたい。燃えに燃えています」と前を向いた。