<ナショナルズ1-4ブルワーズ>◇3日(日本時間4日)◇ナショナルズパーク

 メジャーで最も三振が少ない打者の本領発揮だ。ブルワーズ青木宣親外野手(31)が、卓越したコンタクト能力を改めて実証した。ナショナルズ戦に「1番右翼」で出場。第2打席に狭い三遊間を抜き、第3打席には中前へ先制の2点適時打。第5打席にも一塁へ内野安打を放ち、6月21日以来となる3安打。「悪いところを、1つずつつぶせるように過ごしてきたのが、こういう形で出たんだと思います」と満足そうに言った。

 安定感の裏には、事前の準備を含めた適応力がある。レギュラーが確約されなかった昨季とは異なり、試合前にはビデオなどで対戦相手の情報を収集。少しでも体に違和感があれば、遠征にも同行する専属トレーナー原田雅章氏の治療を受け、より万全の体調で試合に臨めるようになった。

 その結果、5月25日から6月10日までブ軍の球団記録に並ぶ72打席連続無三振をマークするなど三振数は激減した。三振する割合はメジャー最少の20・9打席に1回。2位以下を5打席以上引き離している。この日までも39打席三振しておらず、トップクラスのバットコントロール能力を発揮している。

 チームが低迷していることもあり、米地元紙などではトレードのうわさも出始めた。「こっち(米国)ではよくあること。その日の試合に集中してやるだけです」。現在、年間177安打ペース。目標の200安打をクリアする上でも、三振数は1つの目安になりそうだ。【四竃衛】