ヤンキース、巨人などで活躍し、昨季限りで現役を引退した松井秀喜氏(39)が、ヤ軍傘下1Aスタテンアイランドで打撃投手を務めた。ヤ軍側の誘いに「お手伝い」の形で応え、今後も不定期ながら継続することが明らかになった。

 松井氏はグラウンドに現れた瞬間、「ワオッ」と驚きを隠せなかった。マンハッタンからフェリーで約25分の海上に浮かぶ同地に、日米報道陣約50人。外野での球拾いを手伝い、フリー打撃で約10分間、122球を投げる一挙手一投足を、居並ぶカメラに追われた。

 春先にヤ軍キャッシュマンGMと雑談した際、誘いを受けたという。「フルタイムはできないのでお断りしたんですが(ニューヨークの)近くで打撃練習ぐらいならできるということになった。野球をやめて太りたくないので、一番の目的はそれです」。得意の冗談も出たが、若手にテンポ良く投げる顔は真剣だった。

 8、9日にも練習に参加予定で、その後はホームゲームで都合が付く日には顔を出す見込みだ。「コーチじゃないですし、大げさに取らないで」と苦笑も、周囲の期待感は別。同軍女性GM、ジェーン・ロジャース氏は「ヒデキから選手が学ぶことは数多い。彼らを助けてほしい」と話した。

 28日はヤンキースタジアムで引退セレモニーが行われる。「5月5日には(長嶋氏へ)暴投を投げてしまったので、その反省も含めて練習しないとね」。リラックスムードだったが「野球の虫」がうずき始めたことも確か。今後の動向は未定だが「現場復帰」を機に、近い将来の指導者として改めて注目を集めそうだ。(ニューヨーク=四竃衛)