<レンジャーズ0-2ヤンキース>◇25日(日本時間26日)◇レンジャーズボールパーク

 ヤンキース黒田博樹投手(38)が野茂英雄氏(44=元ロイヤルズ)を抜き、日本人投手初の4年連続2桁勝利をマークした。7回を6安打1四球3三振で無失点。11年8月以来2年ぶりの3試合連続勝利となる今季10勝目をマークした。日米通算170勝は苦戦が続くチームにとっても大きな1勝だった。

 苦しい場面は、味方が1点を取った直後の6回裏だった。先頭から連打されるなどで2死一、三塁。ジラルディ監督がマウンドに駆け寄ってくる。「体力は残っているか」と問われ「大丈夫です」と答える。「よし、任せた」と託された。次打者に直球を捉えられたが左直に打ち取ってピンチを脱出した。

 黒田

 (続投に)グッとくるものがあった。良い当たりはされましたけど、野球の神様がいたかな。

 チームは今遠征7連戦の負け越しが確定していたが、この試合を落としたらシーズンが終了してしまうという危機感が漂っていた。暑いデーゲームで黒田の意地が爆発。4年連続2桁勝利は3年連続を2度達成した野茂氏を抜き日本人初の快挙となった。

 黒田

 (野茂氏は)雲の上の存在ですけど、そういう方の記録を1つでも抜けたというのは光栄なこと。

 この日は3度の守備機会を堅実にこなし、10年7月17日から続く、現役では2番目に最長の100試合連続無失策をマークした。記録ずくめのマウンドで、チームにも明るい希望を与えた。(アーリントン=水次祥子)

 ◆日本人投手の2ケタ勝利

 黒田が10年から4年連続の2ケタ勝利。これまで95~97年と01~03年野茂が2度記録した3年連続を抜き、日本人最長となった。4度の2ケタ勝利は、大家の3度(02、03、05年)を抜き、野茂の7度に次ぐ単独2位となった。