ヤンキースのイチロー外野手(39)が来季も定位置争いを強いられることが確実となった。キャッシュマンGMが1日、会見でイチローの起用法に言及。「守備に優れ、スピードがあり、調子が良ければ試合を変える選手だ」と評価しながらも、「どういう役割になるのか分からない。外野陣がどのような顔触れになるかによる」と、微妙な立場であることを示唆した。

 ヤ軍は引退やFAになる選手も多く、来季のチーム作りには課題が多い。同GMは「今季は本塁打が激減したが、本塁打が打てることはこのチームの重要な部分」と話し、強打者の獲得を示唆。7日からスカウト会議を行い、補強方針を決める。また今季限りで契約が切れるジラルディ監督とは再契約の方向で動いている。イチローは今季、対左投手で打率3割2分1厘。だが同監督は左投手でイチローを休ませることが多く、この起用法が続けば調子の維持も難しくなる。

 一方、再びFAとなる黒田博樹投手(38)について同GMは、「残って欲しい。彼が来てくれてうれしかったし、良好な関係が築けた。来季もそれを続けたい」と残留を熱望した。(ニューヨーク=水次祥子)