<ア・リーグ優勝決定シリーズ:レッドソックス5-2タイガース>◇19日(日本時間20日)◇第6戦◇フェンウェイパーク

 レッドソックス上原浩治投手(38)が、日本人選手初のリーグ優勝シリーズMVPに輝いた。

 試合後、表彰ステージに上がった上原は、長男一真(かずま)君(7)の前で誇らしげにトロフィーを掲げた。緊迫した登板の連続を「正直、吐きそうでした」と振り返ると、球場内は大爆笑。さらに、隣にいた一真君は、女性インタビュアーから英語で「お父さんはああ言っているけど、どんな気持ちで見ていた?」と質問され、堂々と「I

 don’t

 know(よく分からない)」と英語で答えた。さらに「お父さんが投げている時の気持ちは?」と問われると「Excited!(興奮した)」と返答し、地元ファンから大きな喝采を浴びた。

 現在も、上原の家族はかつて所属したボルティモアの自宅に住み、上原自身はボストン近郊でホテル暮らし。学校が休みの期間を利用して訪れる機会はあっても、「パパとの時間」は極めて限られてきた。

 レンジャーズ時代の11年は、上原自身が不調だったこともあり、家族がプレーオフ中に訪れることはなかった。だが、今回は地区シリーズのタンパ遠征をはじめ、時間が許す限り、激励&観戦。試合前の練習中も一緒にグラウンドでキャッチボールをするなど、上原にとって愛息の笑顔は最高の「癒やし」。緊張と疲労が蓄積しても、マウンド上で踏ん張れた陰に、家族の存在は欠かせなかった。