【ニューヨーク11日(日本時間12日未明)=四竈衛】覚悟を言葉で示した。ポスティングシステムを行使して楽天からヤンキース入りした田中将大投手(25)が本拠地ヤンキースタジアム内で入団会見。7年総額1億5500万ドル(約163億、合意時点の1ドル=105円換算)の大型契約の右腕が、背番号19のユニホーム姿を初めて披露した。

 日米約200人を越す報道陣の視線が、田中に注がれた。球場内の高級ラウンジ「レジェンズ・クラブ」にはスタインブレナー・オーナー、キャッシュマンGM、レバイン球団社長、ジラルディ監督らも同席する超VIP待遇。ジラルディ監督からピンストライプのユニホームと帽子を手渡され、無数のフラッシュを浴びながら袖を通した。第一声は英語だった。

 田中

 HELLO

 MY

 NAME

 IS

 MASAHIRO

 TANAKA

 I’M

 VERY

 HAPPY

 TO

 BE

 YANKEES(こんにちは!

 私の名前は田中将大です。ヤンキースの一員になれてうれしいです)

 ニューヨークの地元メディアの質問に堂々と答えてる姿は、いつも通りだった。その姿勢は、一貫している。ヤ軍と合意した後、先月23日にコボスタ宮城で行った移籍会見でもそうだった。破格の大型契約による重圧を心配する声を制し、「背負える物は背負いますけど、背負ってつぶれるようなことだけは絶対したくない」と声を大にした。そして、はっきりと「世界一」を目指すと宣言した。

 決して、大風呂敷ではない。「できる」と思うことを口にし、口にした以上は、力を出し切る。それが、田中の流儀だ。昨季の開幕戦。WBCから帰国したばかりで、状態は万全ではなかった。首脳陣からの開幕投手の打診に、素直に「無理です」と答えた。登板を遅らせることで、状態を整え、前人未到の開幕24連勝につなげた。日本シリーズも、そう。栄誉ある第1戦を譲り、満を持して第2戦の先発を選び1失点完投勝利。全ては、いかにチームに貢献できるか考えた結果だった。

 メジャー第1歩となる入団会見も、いつもの田中と変わらなかった。そして、これからも変わることはない。

 ◆ヤンキース田中の契約内容

 14年から19年までは年俸2200万ドルで、20年は2300万ドルの7年総額1億5500万ドル(約155億円)。全球団へのトレード拒否権があり、17年オフ以降の契約破棄権を持つ。さらに、引っ越し費用3万5000ドル(約350万円)、住宅手当は年間10万ドル(約1000万円)、通訳への給料8万5000ドル(約850万円)、日米間のファーストクラス航空券4往復分(本人の分を除く)の諸経費が支給される。