<オープン戦:ブルージェイズ2-0メッツ>◇29日(日本時間30日)◇モントリオール

 メッツのキャンプに招待選手として参加していた松坂大輔投手(33)が開幕をマイナーで迎えることが決まった。オープン戦最終登板となったブルージェイズ戦(モントリオール)では5回無失点8奪三振と力投。だが試合後、メ軍が先発最終枠にヘンリー・メヒア投手(24)を入れることを発表。この措置は故障者との契約上に関する暫定的な意味合いが濃く、松坂が早期にメジャー昇格する可能性は十分ある。また日本選手が在籍するチームはこの日オープン戦全日程を終え、今日30日(同31日)にパドレス対ドジャースで北米でのメジャーがシーズン開幕する。

 現実を受け止めるしかなかった。松坂が開幕をマイナーで迎えることを通告されたのは、好投した登板後だった。「ショックはショックですけど、引きずっても仕方ない」。先発ローテーションの5人目にはメヒアが入ることになったが、必死に前を向いた。

 オープン戦最後の先発は5回5安打無失点8奪三振無四球と、文句なしの投球内容だった。オープン戦では計6試合に先発し、23回2/3を投げて防御率3・04と好調を持続。一方、先発最終枠に選ばれたメヒアは、わずか4試合登板で防御率2・70。アルダーソンGMは「難しい決断だった」と、これまでの経緯を簡略に説明。コリンズ監督は「間違った決断だと彼(松坂)が感じていたとしても理解できる」と同情的だった。

 今回の措置は、故障者と契約上に関する暫定的な意味合いが濃い。現在、先発左腕ニースが左ヒジ不安でリハビリ中。開幕6戦目を予定されているとはいえ、登板可能かどうかは微妙な状況だ。また、40人枠に入っているメヒアを開幕メジャー枠から外す場合、10試合目以降でなければ再登録できないとの事情もある。

 さらにメヒアは昨季、右ヒジ痛で離脱したうえに、28日の試合で右腕を打撲した。今季は投球回数を120回程度に限定されていることもあり、フル稼働させられない背景もある。25日に10万ドル(約1000万円)の規定額を支払ってまで松坂と「マイナー再契約」を交わしたのも、松坂を必要とするメ軍側にとって、最善かつ苦肉の策だった。

 本来の投球を取り戻しつつあった松坂とはいえ、開幕枠だけに固執していたわけでもない。肝要なのは、与えられた機会で結果を残すこと。「納得はできないけど、しっかり気持ちを切り替えてやっていきたいですね」。自信は取り戻した。メジャーでのフル回転を目指すだけに、目先の処遇に惑わされる必要はない。