【ニューヨーク(米ニューヨーク州)13日(日本時間14日)四竃衛、水次祥子、金子航】ヤンキース田中将大投手(25)が、三度目の正直で、真の力を披露すると誓った。先発予定の15日午後7時5分(同16日午前8時5分)カブス戦に向けた取材に応じた。過去2戦の登板は、周囲から高評価も、本人は満足していない。公式戦3試合目は、デビュー戦でも本拠地初登板でもなく、余分な緊張感などから解放され落ち着いて臨める。全米に「これぞマー君!」という投球を見せつける。

 リアル・ディール。デビュー戦でのブルージェイズ・ギボンズ監督を始め、すでに「本物」を意味する言葉で、形容される田中だが、本人はまだ本領を発揮しているとは思っていない。

 2試合連続でクオリティースタートの7回3失点。1勝0敗で、日本時代からのシーズン連勝記録「29」は継続中。高評価される要素はあるが、本人の受け止め方とは誤差がある。「7回3失点で、役割を果たしたんじゃないかとも言われますけど、序盤に先に点を与えていますし、その前の登板も、味方が取ってくれてすぐ、点を取られて。内容を掘り返していけば、良くない点は多い」と、自己採点はピリ辛だ。

 これまでの2試合は、デビュー戦と本拠地初登板。「そりゃ、もちろん、緊張感は全然違いますよね」と振り返るように、少なからず重圧を感じてのマウンドだった。これまでと3試合目は違いがあるかとの問いに「ないとダメだと思いますね」と即答した。

 「1戦目2戦目は、少し特別なところはあったと思うのですが、次の登板は、そういうのもないので、落ち着かないとダメ。結果として出さなければ、どういう風に見られてもしょうがない。抑えていけるよう頑張ります」。本来の田中将大を披露して、勝利に貢献することを目標に置く。

 チームは故障者続出だ。すでに主砲テシェイラと守護神ロバートソンが故障者リスト入り。この日は右太もも張りのジーターと、腰痛の二塁手ロバーツが欠場。4回にセルベリが右太もも裏痛で途中交代する際には、ジラルディ監督から「田中、一塁できるか?」と聞かれたという。田中が中学時代に捕手だったことが試合前に大型ビジョンで紹介され、ナインからジョークながら捕手の準備も期待されるほど。野手挑戦はさておき、「リアル・ディール」投手として活躍することが、チームにとって最大の救いとなるはずだ。

 ◆リアル・ディール

 田中がメジャー初登板初勝利を飾った4日のブルージェイズ戦後、ブ軍ギボンズ監督が「He’s

 definitely

 the

 real

 deal.(彼は間違いなく本物だ)」とコメント。序盤に苦しみながら3回以降立て直した田中の修正能力を評価して贈った賛辞だった。また2戦目のオリオールズ戦後は、シカゴの地元紙に「天才タナカは本物に見える」と紹介された。