<メッツ4-3ブレーブス>◇20日(日本時間21日)◇シティフィールド

 メッツ松坂大輔投手(33)が10年ぶりの連投で快投を披露し、先発復帰へ猛アピールした。ブレーブス戦の延長11回から3回を無安打無失点、5奪三振と圧巻の投球。14回のサヨナラ勝ちを呼び込んだ。前日の登板では1回18球を投げており、2日間で計62球を投げる大車輪の働きで存在感を見せつけた。2つ目の三振で日米通算2000奪三振をマークし、野茂、黒田らに続く史上4人目の記録にも到達した。

 慣れない救援の連投でも、マウンドに上がった松坂の表情は穏やかで落ち着いていた。延長11回、先頭打者にいきなり四球を出したが、2人目の打者から3者連続三振。2つ目の三振はメジャー通算645個目で、西武時代と合わせ日米通算2000奪三振となった。

 11回を投げ終わると、ベンチでワーセン投手コーチと通訳なしで会話のやりとりがあった。「セットのときの方が余計なことを考えずにスムーズに投げられている」と助言され、2イニング目以降は無走者でもセットポジションで投げた。カット、カーブ、スライダーと制球よく、両サイドと緩急を使った投球がさえた。12回の先頭も空振り三振に斬って取り、4者連続三振を含む打者9人連続凡退と圧倒した。3回で5三振を記録し、女房役のレッカー捕手は「三振を意識して取りにいったわけではなく、カウントを有利に持ち込めたので、それが三振の多さにつながったと思う」と明かした。

 2日連続のマウンドは、西武時代の04年日本シリーズで中日相手に先発と救援で登板した第6、7戦以来。レッドソックス時代の11年に1度救援登板したことはあるが、リリーフとして2連投したのは初めてだ。「リリーフのときだからいいと思える配球っていうんですかね、先発のときにはしない配球だった」と、投球を変えて結果につなげた。

 だが、日米で先発の柱として活躍してきた誇りもある。「リリーフに専念するつもりはないです」と、きっぱりと意思表示した。中継ぎという役割について「自分の中で割り切ってやっています」「今だけと思ってやっています」という言葉を何度か口にした。

 先発復帰は、チーム事情から今すぐというわけにはいかない。松坂も「準備だけは怠らないようにと思ってやっています」と自分の役割を理解しながら、先発復帰する日を目指し、全力で投げ続ける覚悟だ。【水次祥子】

 ▼松坂は07年の渡米後、初めて2日連投となった。西武時代には公式戦で右肘痛から復帰した02年8月4日ソフトバンク戦、同5日近鉄戦にリリーフで連続登板。ポストシーズンでは中日との04年日本シリーズ第6戦に先発して8回2失点で勝利、翌日の第7戦では3番手で1回無失点に抑え日本一に貢献。連投はこの時以来10年ぶり。

 ◆メッツ先発ローテ事情

 28歳のジーと27歳のニースは安定。24歳のウィーラーはやや安定しないが、ローテを守ることは確実だ。問題は41歳のコローンと、松坂と5番手を争った24歳メヒア。コローンは持病の腰痛、メヒアは前回登板で指のマメがつぶれ21日の登板が危ぶまれたほど故障が多い。現状では松坂が自力で先発枠を奪うことは難しいが、コローンかメヒアに問題が発生した場合、抜てきされる可能性は高い。