<レンジャーズ0-4アスレチックス>◇28日(日本時間29日)◇グローブライフパーク

 レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)が天敵の前に屈した。12年6月から6連敗中のアスレチックス打線に乱され、渡米後の最短となる3回1/3、4失点KOで今季初黒星を喫した。12年5月27日から続いていた「先発56試合連続で5回以上登板」という球団記録も止まった。

 試合後は「早いイニングで降りるのは、先発として悔しいです」とやりきれなさを見せながら、通算1勝7敗、防御率4・73となった天敵ア軍について「いいアプローチをしているんじゃないですか?」と認めざるを得なかった。

 ア軍打線の嫌らしさにしてやられた。速球は積極的に振りながらも、それ以外の球は待つという姿勢を貫かれた。打者1巡目は、9人中6人にフルカウントまで持ち込まれ、計53球を要した。球の軌道や傾向をつかまれた2巡目は、ファーストストライクから積極的に攻められ、塁を埋められると2点打や犠飛であっという間に4点を失った。

 この日2安打し、ダルビッシュとの通算対戦打率を3割6分8厘に上げたア軍6番ジェイソは「カーブを投げざるを得ない状況に持ち込めた」と満足げ。ア軍デービス打撃コーチも「全体に辛抱強く、しっかり狙い球を待てた。詳しい手の内?

 明かせないよ」と不敵に笑った。

 ワシントン監督は「相手は狙いが徹底されていた。ボール球に手を出さなかった」と厳しい顔で話した。メジャー最短降板となりぼうぜんとした表情を隠せなかったダルビッシュだが、その一方で「相手の傾向とか、去年から見ていて、あまり自分でも気付けていなかった部分が、こうかなと思えた」とも言った。何かをつかめたのか否か。次回対戦の6月までに、じっくり策を練り上げる。(アーリントン=佐藤直子通信員)

 ▼ダルビッシュはアスレチックス戦で7連敗。日本人投手の同一カード7連敗以上は野茂がマーリンズに10連敗、大家がマーリンズに8連敗、吉井がブレーブスに8連敗している。

 ▼ダルビッシュが大リーグ移籍後最短の3回1/3で降板。これまでは12年5月21日マリナーズ戦の4回が最短だった。日本時代は164試合に先発し、4回未満の降板は5度。最近では07年5月10日ソフトバンク戦の3回0/3、5安打、6四球(3失点)以来だ。