<メッツ4-2ダイヤモンドバックス>◇25日(日本時間26日)◇シティフィールド

 【ニューヨーク(米ニューヨーク州)=水次祥子】投げて、打って、勝つ-。メッツ松坂大輔投手(33)がダイヤモンドバックスとのダブルヘッダー第2試合で今季初先発し、2勝目を挙げた。6回を3安打2失点。2回に2点の先制を許すも、その裏に自らのタイムリーで反撃し、先発では昨年9月25日以来の白星につなげた。この試合限りのスポット起用ながら今季最長の6回、同最多の98球を投げ、ローテーションの谷間を埋めた。

 切れのある145キロのカットボールに、昨季ナ・リーグ2冠のバットが空を切った。2-2の同点で迎えた6回、松坂は先頭にこの日唯一の四球を与えたが、「一番警戒していた」という主砲ゴールドシュミットから2打席連続三振を奪い、悪い流れを断ち切った。今季は救援で56球を投げたのが最多で、この時点で90球を超える力投。「あのイニングは、もう1度ギアを上げて抑えにいきました」と振り返り、「一呼吸入れようと。あとは攻め方の確認です」とマウンドに行ったワーセン投手コーチと時間を取った。そして最後の力を振り絞り、98球で6回を投げきった。その裏、打線が勝ち越しに成功。2勝目だが約8カ月ぶりの先発勝利に、「今日の方がうれしい」と素直に喜んだ。

 自信を持つ?

 打撃で自らを助けた。0-2の2回2死一、二塁で、バットを折りながらも左前に適時打を運んだ。ポストシーズンを含めればメジャー通算4本目のタイムリーで、公式戦では初めて勝利投手と重なった。「まあ、ヒットくらいだったら簡単に。まあ、練習しなくても打てるものですね」と笑った。

 臨時先発にもかかわらずチームの連敗を2で止め、バットでも貢献。コリンズ監督も感激し、「ダイスケは何でもできる。どう起用しても文句を言わず、呼ばれたときにいつでも投球の準備ができている」と感謝の言葉を並べた。ただ、「長く先発していないのに、100球投げられると言ってくれた。彼がハートを示してくれた」と献身的な姿勢を評価しながらも、「今はブルペンで重要な存在。先発は今はない」という。松坂も「3日後にはまたブルペンに入るんじゃないですか」とサラリ。難しい役割をこなしながら、チームに欠かせない存在感を高めていく。