【ニューヨーク6月29日(日本時間30日)=四竈衛、水次祥子】「バカじゃね」騒動が、一夜で鎮火した。前日28日、ヤンキース田中将大投手(25)から決勝弾を放ったレッドソックスのマイク・ナポリ一塁手(32)が失言したことについて、ヤ軍側が問題視しない姿勢を明らかにした。

 騒動はベースを1周してベンチへ戻ったナポリが「What

 an

 idiot(バカじゃね)」と発言したのが発端。映像と音声が全米生中継され、ニューヨークの地元メディアを中心に批判の声が集中した。両軍はライバル関係にあり、遺恨、報復に発展する可能性が話題になっていた。

 しかし、ヤ軍側は「大人の対応」に終始した。ジラルディ監督は試合前会見で「我々の世界は何でも見られてしまう。彼(ナポリ)が悪い人間という感覚はない。必死にプレーしている」と、批判の姿勢は見せなかった。また地元紙によれば「もし我々が3点取って勝っていれば、『また田中はすごい投球だった』と言われたはず」と話し、責めるべきは貧打の自軍打撃陣の方だと強調したという。

 同僚テシェイラも「クラブハウスやダッグアウトでの話が公になるなら、誰も野球のことを話さなくなってしまう」と話した。現場にすれば今回の「バカ」に深い意味はなく、許容範囲。裏を返せば、さらにどぎつい発言も頻繁のようで、そんな内輪の会話を最先端の高品質マイクで拾われることが、ヤ軍側としても人ごとではなかったようだ。