<オールスター:ア・リーグ5-3ナ・リーグ>◇15日(日本時間16日)◇ターゲットフィールド

 【ミネアポリス(米ミネソタ州)=四竈衛】投手最年長で初出場のレッドソックス上原浩治投手(39)が、球宴で昨季世界一の守護神らしい投球を披露した。出番は5-3と勝ち越した直後の6回2死三塁だった。相手は打率3割4厘、16本塁打、45打点の成長株メゾラコ。シーズン中同様、引き締まった表情で大きく息を吐く。直球とスプリットで追い込み、最後はスプリットで空振り三振に切った。宣言通りの真剣勝負で、わずか4球で役目を終えた。

 ベンチに戻ると、恒例のハイタッチで喜びを爆発させた。顔ぶれはいつもと違っても、打たれたくない気持ちは変わらなかった。メジャー6年目で初の夢舞台。「1人だけで十分。このメンバーに投げるのはもういいです。この時期は休んだ方が後半にいける。もう休みたい」と笑った。

 肘の故障でヤンキース田中が出場できず、繰り上がりでの選出となった。試合前には家族と一緒にパレードに参加。練習中にはダルビッシュと野球談議を交わし、キャッチボールを行うなど、非日常的な時間と空間を味わった。「選ばれた者しか出られないわけですから、本当に良かったです」と、真夏の祭典ならではの重みも感じた。

 だが、またすぐに現実と向き合う日々が始まる。今季は、低調レ軍の中でも、抜群の安定感で試合を締めくくってきた。「まだあきらめるわけにはいかないので頑張ります」。しばしの休息後、18日から再び戦いの場に戻り、最終回への準備がスタートする。