<インディアンス2-5マリナーズ>◇29日(日本時間30日)◇プログレッシブフィールド

 【クリーブランド(米オハイオ州)=佐藤直子通信員】日米通算2000投球回に花を添えた。マリナーズ岩隈久志投手(33)がインディアンス戦で7回6安打2失点(自責2)で9勝目(5敗)をマークした。今季11度目のクオリティースタート(QS=6回以上自責3以下)。打線の援護にも恵まれ、7月は4勝1敗、防御率2・35の好成績だ。

 左打者を8人並べたインディアンス打線に、岩隈は強気の内角攻めで挑んだ。「(打球を)あまり引っ張ってくる感じがなかった。センター方向を中心に打ってくる感じがあった」と早々に察知。女房役のズィニーノと話し合いながら、打者の懐に投げ込んだ。最速91マイル(約147キロ)の球速以上に力強さが感じられたフォーシームとツーシームでカウントを整え、最後はスプリットで決めた。

 敵地では14試合に先発して9連勝。昨年7月20日アストロズ戦以来負けていない。「そうなんですか?

 特に意識はないですね」と笑う。意識しているのは、個人の成績より、01年以来のプレーオフ出場を目指すチームの勝利だ。「あと2カ月。これからが本番だと思うので、できることをしっかりやって、粘り強く先発投手としての役割を果たせば、勝利も転がり込んでくる。チームもどんどん乗ってこれるんじゃないかと思います」。そう語る目は2桁10勝目よりも、すでに10月を見据えていた。<岩隈記録アラカルト>

 ▼2000投球回

 インディアンス戦の4回に日米通算2000投球回に到達。日本では1541回。

 ▼連続無四球試合

 1回2死走者なしから四球を与え、マリナーズ球団記録の連続無四球先発登板が5でストップ。7月に入って6試合目の登板で、この日まで無四球だった。

 ▼連続イニング無四球

 35回2/3で止まり、10年にリーがマークした38回に次ぐ球団史上2位。1シーズンでは10年上原の34回を超え日本人投手最長。

 ▼与四球率

 1試合あたりの与四球率は0・69で両リーグトップ。1以下はヒューズ(ツインズ)の0・82と2人のみ。

 ▼ロード

 敵地では昨年7月4日のレンジャーズ戦で敗戦投手になって以降、14度の先発で9勝0敗。ロードで9連勝以上したマ軍投手は、00~01年に10連勝したフレディ・ガルシアと99~00年に9連勝のジェイミー・モイヤーに次いで3人目。