<カブス2-1オリオールズ>◇24日(日本時間25日)◇リグレーフィールド

 カブス和田毅投手(33)が6回までノーヒットノーランの快投で古巣オリオールズから4勝目(1敗)を挙げた。7回先頭ピアースに左翼への場外ソロ弾を許して記録は途絶えたが、1回に3番ジョーンズに四球を与えた後は打者16人連続凡退。強力オ軍打線を相手に6回1/3を1安打8奪三振1四球で1失点と持ち味を存分に発揮した。

 通算107勝の日本時代をほうふつとさせる速球で攻めた。「前回より全然走っていた」とコーナーを突くとオ軍打線のバットが面白いように空を切った。速球の平均時速は89マイル(約143キロ)と決して速くない。右肩でしっかり壁を作るため球の出どころが見にくい上に打者の手元でクッと伸びる。4回はここまで計71本塁打の上位打線を3者三振とするなどメジャー自己最多の8奪三振を記録した。

 和田

 フォーシームとツーシームの使い分けで(球が)多分沈んだり動いたり伸びたりした。(捕手)カスティーヨがうまくサインを出してくれました。

 古巣では左肘手術の影響でメジャー登板なく終わった。「まったく戦力になれずチームを去った。この舞台に立っているのもオリオールズが自分をメジャーの世界に呼んでくれたから」と感謝しかない。3年前、和田獲得を後押ししたショーウォルター監督の目が間違っていなかったと証明するためにも、快投での恩返しが目標。「そういう投球ができたんじゃないかと思います」と笑顔を見せた。

 6回までノーヒットノーランの快投だった。「自分には縁がない話。まったく意識しませんでした」とひょうひょうとしているが、地元ファンはスタンディングオベーションを送った。「うれしかったですね。今までで一番大きかった」と帽子を取って返礼。早くも地元メディアからは「来季も契約すべき」との声も上がっている。「そう思ってもらえることが大切。でも1戦1戦、シーズン終わりまでいい結果を残し続けることが今年の目標です」と、しっかり地盤固めに励むことを誓った。【佐藤直子通信員】