【デトロイト(米ミシガン州)28日(日本時間29日)=四竈衛】無理なら「NO」と言います-。右肘痛で離脱しているヤンキース田中将大投手(25)がタイガース戦の試合前、実戦形式の練習に登板し、49球を投げた。延べ打者9人に対しボールが23球あり、ストライク率は6割にも届かず。持ち前の制球力がバラバラで「とてもじゃないけど、まだ(試合で)投げられるとは思ってません」と、自ら「ダメ出し」した。

 早々と復帰日を想定し始める周囲をよそに、田中自身は極めて冷静だった。速球、変化球とも、思い描く軌道、制球とはかけ離れていた。「何も良くなかったので、収穫はそんなになかったです。しっかり球数は投げられましたけど」。肘に負担のかかりにくいフォームを模索中でもあり、不安定さは否めない。ジラルディ監督は「何もかばうように見えていないのは、いいサインだ」と、残り2回の実戦登板を示唆。ただ田中は「まだ(復帰が)近いものとは思ってません」と厳しい自己分析だった。

 投げるだけであれば、9月初旬の復帰も可能。だが、マウンドを任される以上、結果を残す責任がある。「無理ならノーとハッキリ言わなければいけないと思います。投げるのは僕。回数を増やすとか、そういうコミュニケーションも必要だと思います」。最終ゴーサインは、田中次第。中途半端なまま、突貫仕上げで復帰するつもりはない。