<レンジャーズ5-7マリナーズ>◇5日(日本時間6日)◇グローブライフパーク

 マリナーズ岩隈久志投手(33)がメジャー最多タイとなる14勝目(6敗)をマークした。気温35度を超える暑さの中での投球となったが、5回1/3を7安打3失点。

 うだるような暑さの中での力投だった。試合開始時の気温は35度超。午後9時になっても32度という9月らしからぬ気候に「この時期、この暑さの中で投げるのは大変」と言いながら、アンダーシャツを何度も着替えながらマウンドに立った。4回以降は毎回走者を背負い、6回途中まで3失点。スプリットに狙いを絞ってきたレ軍打線に「うまく当てられてヒットになったりした。テキサス打線がしっかり振れていましたね」と振り返った。

 ヒヤリとするシーンもあった。2回1死。ルアの鋭い打球が頭部付近に飛んできた。とっさに反応し、頭を守るように出したグラブにスッポリと収まった。捕手のズィニーノが「打球が飛んだ瞬間、息が止まったよ」と肝を冷やし、岩隈も「(頭に)当たったと思いますよ。ホッとしました。今でもここ(頭付近)にボールが来るのを思い出すくらい」と身の危険を感じながらの好プレーに、試合後も興奮を隠しきれなかった。

 右手中指の負傷で開幕から1カ月出遅れたが、昨季と並ぶ14勝目をマークした。「なんとか並ぶことができたので、超えていけるように調整して、自分のピッチングができるように頑張りたいと思います」。チームは13年ぶりのプレーオフ出場へ、着実に勝利を積み重ねていく。【佐藤直子通信員】

 ▼岩隈が昨年5月4日~6月10日以来のシーズン5連勝。昨季に並ぶメジャー自己最多の14勝目を挙げた。日本人投手の2年連続14勝以上は野茂が96年16勝→97年14勝、02年16勝→03年16勝、松坂が07年15勝→08年18勝と続けたのに次いで3人目(4度目)。これで今季の日本人投手の合計勝利数は、史上最多だった02年の62勝に並んだ。<マリナーズ岩隈記録アラカルト>

 ◆勝率

 昨季(14勝6敗)からここまでの勝率は7割(28勝12敗)。1位シャーザー(タイガース)8割1分8厘、2位カーショー(ドジャース)7割3分3厘に次ぎ、グリンキー(ドジャース)と並び3位。

 ◆勝ち星

 14勝は今季リーグ5位タイ。1位は15勝のシャーザー(タイガース)ら4投手で、あと1勝に迫っている。

 ◆WHIP

 1イニングあたりの許走者数は0・99とリーグ3位。

 ◆与四球率

 1試合あたりの与四球率は0・78と、ヒューズ(ツインズ)の0・75に次ぎ両リーグ2位。

 ◆敵地

 今季は敵地で7勝1敗。メジャー通算でも18勝6敗とロードに強い。

 ◆同一地区

 マ軍所属のア・リーグ西地区球団相手には通算19勝9敗。今後はアストロズ、エンゼルスの同一地区2球団に2度ずつの登板が予想される。通算でア軍戦は4勝2敗で防御率2・56、エ軍戦は5勝無敗で防御率1・64。