<ロイヤルズ4-3ホワイトソックス>◇15日(日本時間16日)◇カウフマンスタジアム

 ロイヤルズ青木宣親外野手(32)が4安打の爆発で逆転サヨナラ勝利に貢献した。1点を追う9回2死二塁での5打席目だった。三盗を仕掛けたダイソンが暴投で生還して同点に追いつく。このままで、青木は満足しない。内角速球を左翼線に打ち返して、この日4安打目となる二塁打。代走ゴアを送られ、次打者ケーンの内野安打の処理を相手守備がもたつく間にサヨナラのホームイン。青木はナインとベンチから飛び出し、一塁ベース付近の歓喜の輪に加わった。

 言葉に力がこもる。「塁に出てもなかなか点数が入らず、重苦しい雰囲気はあった。これで流れが変わるといい」。チームにも自身にとっても大きな今季初の4安打だった。3回の2打席目は止めたバットに投球が当たり、三塁内野安打。3打席目に中前打を放ち、6回までチームはこの2安打のみ。さらに8回にも止めたバットに当たる内野安打とラッキーが続き「新しいバントです。最高のバント」とご機嫌だった。

 日本で首位打者3度の好打者が、今季は苦悩する日もあった。いい当たりが野手の正面を突く場面が目立ち「なぜなのか自分でも理由が分からない」と打ち明けた。だが、この日の2本の内野安打に「いままでのことは忘れて、いまだけに集中したい」と吹っ切れた様子だった。

 14日までの10試合で4勝6敗と失速気味だったチームが、29年ぶりとなる地区優勝に向けて息を吹き返すきっかけをつくった。首位タイガースに1・5ゲーム差。19日からは今季最後の直接対決となる3連戦が控えている。泥くさくても構わない。青木がバットで逆転優勝を奪いに出る。