<ヤンキース5-3ブルージェイズ>◇19日(日本時間20日)◇ヤンキースタジアム

 ヤンキース黒田博樹投手(39)が11勝目、レッドソックス田沢純一投手(28)が4勝目をマークし、日本選手の今季の合計勝利数が歴代最多の64勝となった。黒田は7回途中3失点で5年連続の11勝以上。年齢を感じさせない抜群の安定感と息の長さを証明した。

 黒田にとって苦労して手にした1勝だった。立ち上がりで制球が思うようにいかず、ボールが先攻。1回1死一塁から3番エンカーナシオンに2ランを浴びる。「(本塁打は)カウントを悪くして甘く入ったところを打たれた。最後まで苦しかったですし、何とかしのぎながら、というピッチングだったと思います」と振り返った。

 それでも珍しく打線の援護をもらった。3回に逆転2ランが飛び出し、4回にはさらにリードを広げてもらっての投球となった。投球も回を追うごとに安定感を増し、5回に失策の絡んだ失点はあったものの、ピンチを背負う場面もなかった。3回終了時にはすでに60球を費やしていたが、終わってみれば100球で6回2/3まで投げ降板。「何とか粘っていれば、こういう結果になるかなという気持ちだけでしたね」と、苦労が報われた。

 秋風が吹き、気温が20度を下回った。チームもプレーオフ出場は厳しいが、39歳ベテラン右腕が熱投した。安定感抜群の投手陣最年長に、ジラルディ監督も「彼は3年間、素晴らしい投球をし続けている。我々のローテの重要な柱だ。一番の年長者が最後に残ったのだから、面白いものだ。彼は本物のプロフェッショナルだ」と脱帽した。

 黒田は5年連続で11勝以上をマーク。「(年齢は)感じさせないようやってますし、あんまりそれを考えるとまたパフォーマンスに影響するんで(笑い)。まだ何が起こるか分からないんで、次の登板に向けてしっかり」と、今季残り1試合の登板に向け気を引き締めていた。【水次祥子】