<2014SUZUKI日米野球:日本代表1-6MLB>◇第4戦◇16日◇東京ドーム

 スター軍団が牙をむいた。「2014

 SUZUKI

 日米野球」第4戦で、MLBオールスターが初白星を挙げた。1番ホセ・アルテューベ内野手(24=アストロズ)、2番ヤシエル・プイグ外野手(23=ドジャース)がともに3安打でチャンスメークし、快勝に貢献。無安打に抑え込まれた前夜から全打順を組み替え、2本塁打、4二塁打を含む10安打で雪辱を果たした。

 眠れる獅子が目覚めた。起爆剤となったのはキューバの怪童プイグだった。1回1死、迷いのない初球打ちで藤浪晋太郎投手(20=阪神)から左中間二塁打。シリーズ初の先取点をアシストした。3回も1死一塁でスライダーを仕留め、2打席連続二塁打でジャスティン・モーノー内野手(33=ロッキーズ)の勝ち越し3ランにつなげた。あわや全敗の危機から一矢報い、「1つのチームとして戦えた。みんなの状態が上がってきたね」と、したり顔で笑った。

 豪快な男だ。5回も力強い左前打。打撃練習で観客がキャッチした打球に、バットに刻印されていた「プイグ」の文字がめり込んでいたという逸話を持つパワーヒッター。その片りんを見せつけた。右翼守備ではダイビングキャッチで魅せた一方、6回には柳田のフェンス直撃二塁打を本塁打と思い込み、一切動かなかった。でもそんなミスさえ帳消しになるほどの、大きな仕事ぶりだった。

 前夜は無安打負けの辛酸をなめた。メジャー代表にとって、これ以上ない屈辱。全打順を組み替えたファレル監督も「ノーヒットノーランの後だからなんとかしたかった。特に上位3人はバットが振れていた」と留飲を下げた。中でも奮闘したのが、身長168センチのアルテューベ。右足小指の亀裂骨折で戦線離脱したカノに代わって二塁に入り、リードオフマンを任された。するとプイグと並ぶ3打席連続安打だ。首位打者の実力を見せながら、5回は内野安打と二盗で、盗塁王の顔もアピールした。

 主軸カノ不在の穴を、新たなスターたちが埋めた。アルテューベは右中間二塁打の7回、「見たか」とばかりに二塁上でベンチを指さした。同じベネズエラ出身のタイガース・カブレラには、いつも小脇に抱えられてしまうほどの小兵だが、塁上での存在感は抜群。「常にアグレッシブが自分のスタイル。これまで3戦は厳しい試合だったけど、あきらめずに新しい気持ちで臨んだ」と胸を張った。沖縄での親善試合を除けば、残すはあと1試合。調子を上げたメジャー軍団が、連勝で有終の美を飾りにいく。【鎌田良美】