<2014SUZUKI日米野球:日本代表1-3MLB>◇第5戦◇18日◇札幌ドーム

 MLBオールスターはホセ・アルテューベ内野手(24=アストロズ)から大谷を攻略した。下位打線の連打で無死一、三塁と好機を広げた3回、1番アルテューベへの内角高めが捕逸となって先制に成功。なおも走者三塁で、6球目の外角低めフォークをバットの先でたたき、遊ゴロの間に2点目を追加した。

 「ボールがよく見えていた。いいところに落ちてくれた」と、1回と4回には150キロ超の直球を右前へ運んだ。小さな首位打者が身長差25センチの大谷を苦しめた。投手交代後の6回も右中間二塁打と、2戦連続“猛打賞”でチームの2桁安打をけん引。2連勝でシリーズを締め、ファレル監督も「効果的なオフェンスを見せられた」と総括した。

 だがメジャーの貫禄を示した一方で、主軸が直球に振り遅れる場面もあった。1回無死一塁。「必ず打つ」と話していたキューバの至宝プイグが151キロを豪快に空振りし、3球三振を食らった。続くモーノーはフォーク、4番ロンゴリアは160キロを空振り三振。3回1死満塁も5、6番が直球で連続三振に倒れた。

 モーノーは、大谷が花巻東時代にメジャー挑戦の意思があったことを知っていたという。「直接(メジャーに)来たいと言ってたと聞いたよ。打者としてもすごいんだろ?

 メジャーに来たら、いいチャレンジになるんじゃないか」と“二刀流のススメ”を説いた。プイグは「メジャーで必ず成功する」と言った。打ち崩しはした。それでも、メジャーリーガーも、若侍大谷の才能を認めざるを得なかった。【鎌田良美】