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桑田に戦力外通告「もう十分。悔いなし」
【ピッツバーグ(米ペンシルベニア州)14日(日本時間15日)=佐藤直子通信員】パイレーツ桑田真澄投手(39)が、現役を引退することが濃厚となった。この日試合前、球団から戦力外通告を受け、「もう十分。何も悔いなしです」とユニホームを脱ぐ可能性を示唆した。昨年、巨人を戦力外となり、マイナー契約からメジャー挑戦。右足首の故障を乗り越え、6月10日に夢のデビューを果たしたが、後半戦は不振。19試合で0勝1敗、防御率9・43の成績だった。近日中に引退を表明することになりそうだ。
39歳、オールドルーキーの挑戦が終わった。ついに桑田が球団から戦力外通告を受けた。「野球界はこういうもの。そこで22年もやってきたわけですから」と時には穏やかな笑顔を見せながら話した。
この日の午後、監督室でリトルフィールドGM、トレーシー監督、コルボーン投手コーチから、今後の手続きについて説明を受けた。今後10日間ウエーバー公示され、他球団から獲得の申し出がなければ、パ軍とマイナー契約するか自由契約かの選択となる。しかしメジャーでの実績がない桑田を他球団が獲得する可能性は低く、パ軍は3Aで受け入れる意向を示しているが、今季は9月3日にシーズンが終了。このまま引退が濃厚で、帰国し評論家活動かマイナーでコーチ留学する可能性もある。
桑田は去就について「まだ白紙です。家族が来ているので、週末までには相談して決めたい」と明言は避けた。だが、「パイレーツには、ここまで投げさせてくれて感謝している。もう十分です。何にも悔いなしです」と引退を示唆。16日(日本時間17日)にも引退表明となりそうだ。
22年間のプロ生活で、174センチの小柄な体は傷だらけだった。今季もオープン戦で右足首靱帯(じんたい)断裂。6月2日に3Aで初登板した際には左手首に打球が直撃、1カ月も痛みが引かなかった。メジャー昇格のチャンスを消さないように、周囲には黙っていたという。初の米国生活のストレスで右目がかすむ状態になったこともあった。
昇格直後はカーブを決め球に好投を続けたが、7月2日ブルワーズ戦で2/3回で7失点と炎上。それ以来不調で、今月13日ジャイアンツ戦では1回5失点で防御率は9・43と落ち込んだ。桑田をかばい続けてきたトレーシー監督は「最初の姿に戻ってほしいと思ったが、悪循環に入ってしまった」と厳しい表情で振り返った。
試合開始前に球場を去る際には、チームメートやスタッフがそろって握手やサインを求めてきた。球団広報の手には「ありがとう。桑田真澄 18」と書かれたボールが握られていた。桑田がパ軍に残した足跡の大きさを物語っていた。ヤンキースタジアムでのデビュー戦、イチローとの対決など経験を積んだ。昨年巨人から戦力外通告され、その屈辱をバネに裸一貫で夢を追った。勝ち星は手にすることができなかったが、かけがえのない大きなものを手にした。
[2007年8月16日9時30分 紙面から]
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