松坂Wシリーズ勝ち取った/アLCS

- リーグ制覇の瞬間、松坂は両手を大きく広げ最高の笑顔でベンチを飛び出した(撮影・宇治久裕)
<アLCS:レッドソックス11-2インディアンス>◇第7戦◇21日(日本時間22日)◇フェンウェイパーク
【ボストン(米マサチューセッツ州)21日(日本時間22日)=四竈衛、山内崇章】レッドソックス松坂大輔投手(27)がリベンジで、日本人メジャー初のプレーオフ勝利とワールドシリーズ出場権を勝ち取った。3勝3敗で迎えたインディアンスとの第7戦に先発し、5回2失点でプレーオフ3試合目で初勝利を挙げた。レ軍は04年以来3年ぶりのリーグ制覇となる。24日(同25日)から同地で始まるWシリーズでは、西武時代の同僚・松井稼頭央内野手(31)の所属するロッキーズと対決する。
誇らしげに日の丸を広げてみせた。歓喜の宴(うたげ)が心地よかった。ロッカールームでのシャンパンファイトでひとしきりナインと美酒を味わった松坂は、ファンの待つグラウンドへさっそうと走りだした。ア・リーグ王者のトロフィーをマウンドで高々と持ち上げた。勝った。3勝3敗、地元ボストンで、リーグ制覇、ワールドシリーズ出場を決める大一番で力を発揮した。
松坂「チームが3敗した後で『もう1度お前に回すから準備しておけ』とみんなから言われていました。チーム全員でこの日につなげてくれた。みんなの気持ちに応えられた」。
5回2失点。プレーオフ3度目で、チームの命運をかけた一戦で、ようやく結果を出した。日本人投手では、初のプレーオフ勝利投手にもなった。球数88球、打者20人に魂を込めた。自分の手で引き寄せた勝利の味は格別だった。
松坂「こういう形の試合は、自分が投げたいと思っていても投げられるものでない。3勝3敗で回ってきた自分は、本当にラッキーだと思った。この流れで投げるからには負けることはないと思っていました」。
9月28日に地区優勝を決めた時の先発も松坂だった。自分ではコントロールできない運が、再び巡り合わせてくれたマウンド。与えられた責任を意気に感じた。初回から飛ばした。最速94マイル(約151キロ)の球速以上にキレがあった。投球後は右足が一塁側によじれるほどの強さがあった。2点目を許した5回、最後の打者カブレラへの9球目。外角チェンジアップで空振り三振を奪うと大きく右拳を突き上げた。
松坂「今日の試合に限っては細かいことを考えず、腕を思い切り振ろうと思った。絶対に勝ちたいという気持ちを周りにも、見ている人にも伝えたかった」。
プレーオフ過去2試合は5回を投げ切れなかった。前回15日、敵地クリーブランドで敗戦投手になった試合後は、ロッカーの前でふさぎ込み報道陣の取材を受けることができなかった。自分の力を発揮する以前に降板が告げられた。負けたことよりも仕事をやり遂げられない悔しさに心を痛めた。この日も6回、7回と投げる気概はあった。
松坂「また次がある。今日も100%満足できる内容ではない。自分が今見ている世界のその先に行かなければならない。最高の舞台に(今日残した課題を)取っておこうと思います」。
1年の総決算、ワールドシリーズは24日に幕を開ける。日本人投手で初めて立つ舞台だ。最高のパフォーマンスは、まだ表現し切れていない。本物を世界に示す格好のマウンドになる。
[2007年10月23日9時18分 紙面から]
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