<ナ優勝シリーズ:フィリーズ10-4ドジャース>◇第5戦◇21日(日本時間22日)◇シチズンズバンクパーク

 ドジャース黒田博樹投手(34)は、メジャー2年目の最後を中堅後方のブルペンで迎えた。負けると終わりの戦いとあって、この日はカーショーら他の先発陣と一緒に1回裏からブルペンで待機した。「少しでも力になれることがあれば…」。総力戦の覚悟で戦況を見守ったが、出番はないまま、09年は終わった。

 昨季と同じ相手のフ軍に1勝4敗。あと1歩でWシリーズ出場を逃したが、悔しさは昨年以上だった。「期待に応えられなかったのが悔しい。監督に気を使ってもらったのに、すごく残念」。公式戦終盤に首痛を起こしながら、トーリ監督に18日の第3戦の先発として指名された。だが、わずか1回1/3、6失点で降板。胸の中の屈辱は、消えないままだった。

 今季は、開幕直後に左わき腹痛、8月中旬には頭部に打球を受けるなど、故障に苦しんだ。「ケガへのコンディションや、技術的に変えてみたい部分もある。悔しさをオフの間も忘れずにやっていきたい」。少し赤みを帯びた両目が、黒田の気持ちのすべてだった。